相続トラブルで迷わないために

遺産分割は10年以内に!(令和5年4月1日施行済)

相続が発生してから遺産分割がされないまま長期間放置されると、相続が繰り返されて多数の相続人による遺産共有状態となる結果、遺産の管理・処分が困難になります。
また、遺産分割をする際には、法律で定められた相続分(法定相続分)等を基礎としつつ、個別の事情(例えば、生前贈与を受けたことや、療養看護等の特別の寄与をしたこと)を考慮した具体的な相続分を算定するのが一般的です。
しかし、長期間が経過するうちに具体的相続分に関する証拠等がなくなってしまい、遺産分割が難しくなるといった問題があります。
そこで、遺産分割がされずに長期間放置されるケースの解消を促進する仕組みが新たに設けられました。

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不動産の価額が100万円以下の土地の相続登記に係る登録免許税が免税されます

土地について相続(相続人に対する遺贈も含みます。)による所有権の移転の登記を受ける場合において、不動産の価額が100万円以下の土地であるときは、令和7年3月31日まで登録免許税を課さないこととされました。

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相続登記が義務化されます(令和6年4月1日施行)

平成29年の国土交通省の調査によると、相続登記がされないこと等により、全国の所有者不明土地の割合が22%に達しています。
相続登記の申請が義務ではなく、申請しなくても不利益を被ることは少ない上、都市部への人口移動や人口減少・高齢化の進展等により、地方を中心に土地の所有意識が希薄化し、土地を利用したいというニーズも低下しています。
しかし、長期間相続登記がされていない土地が公共事業や復旧・復興事業の対象に含まれていると、取引や土地の利活用を阻害することになり、その解消に多大な時間と費用が必要になります。
高齢化の進展による死亡者数の増加等により、今後ますます深刻化するおそれがあり、所有者不明土地問題の解決は、喫緊の課題となっています。
所有者不明土地の発生予防と、既に発生している所有者不明土地の利用の円滑化の両面から、総合的に民事基本法制を見直し、相続登記の義務化、土地を手放すための相続土地国庫帰属制度の創設、土地利用に関連する民法の規律の見直しがなされることになりました。

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法務局による「遺言書保管制度」が始まりました

令和2年7月10日より、全国各地の法務局で遺言書を預かってもらえる制度が始まりました。
法務局では遺言書の形式(日付、署名、押印の有無など)のチェックはしますが、遺言の内容(遺言者が望むとおりの相続手続ができるかどうか)のチェックまではできません。
せっかく保管した遺言書が使えない、遺言者の思いとは違う結果となった、といったことがないよう作成の段階から司法書士がお手伝いします。

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自筆証書遺言に関するルールが変わりました

平成31年1月13日より、新しい方式に従って自筆証書遺言書を作成することができるようになりました。
以前は自筆証書遺言をする場合には、遺言者が、遺言書の全文、日付及び氏名を自書(自ら書くことをいいます)して、これに印を押さなければならないものと定めていました。
今回の改正によって、自筆証書によって遺言をする場合でも、例外的に、自筆証書に相続財産の全部又は一部の目録(財産目録)を添付するときは、その目録については自書しなくてもパソコン等で作成してもよいですし、遺言者以外の人が作成することもできます。

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法定相続情報証明制度が始まりました

どういうもの?

法務局に法定相続人に関する情報を一覧図にした「法定相続情報一覧図」の保管を申し出ることにより、以降5年間、無料で法務局の証明のある法定相続情報一覧図の写し(法定相続情報証明) の交付を受けることができるようになりました。

何に使える?

これまで相続による不動産の登記を申請する際は、原則、申請する法務局ごとに、被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍謄本など相続を証明する書類一式を提出する必要がありました。 今後は、法定相続情報証明1通を提出することにより申請が可能となります。特に、複数の法務局管轄内に不動産をお持ちの方が相続手続をする場合は、法定相続情報証明を複数取得すれば、 重複して戸籍謄本を入手しなくても登記の申請ができるようになります。また、相続登記以外の、預貯金、保険金、有価証券等の相続手続にも法定相続情報証明を利用すれば、スムーズに手続を行える可能性があります。

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平成27年1月1日より相続税が増税されました

相続税は、個人が被相続人(亡くなられた人のことをいいます。)から相続などによって財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金です。その相続税が平成27年1月1日より増税されました。
遺産への課税額を減らす基礎控除の縮小により、特に地価が高い都市部の一戸建てを相続する場合、これまで相続税とは無縁と思っていた人も納税を求められるケースが増えそうです。

今回の改正で相続税が課税される人はどれくらい増えるのでしょうか?
国税庁によりますと、これまで相続税が課税される人の割合は全国でおよそ4%でしたが、それが6%に増える見込みだということです。
相続税の申告が必要となる場合には、被相続人の亡くなった日の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地を所轄する税務署に相続税の申告書を提出しなければなりません。
今後、相続が発生した場合には、自分には相続税が課税されるのかどうか申告期限までに調査する必要性が高まっています。専門家に早めの相談を。


相続トラブルで迷わないために

遺産の配分をめぐって、肉親同士のもめごとに頭を悩ませているといった問題にテレビや新聞を通して触れるとき、「な~に、相続でごたごたするなんて、お金持ちの贅沢な悩みだ」と、無関心ばかりでいられるでしょうか?今日、私たちを取り巻く状況は急激に変わりました。好景気であったいわゆる「バブル」の頃に土地の価格は急騰し、その結果土地・建物の資産価値が高まりました。これが人々に土地家屋は重要な「資産」として認識させることになりました。都会の猫の額のような土地の相続をめぐって兄弟が争ったり、これまで実家の農地に関心を払わなかった兄弟達が分割を要求したり・・・。相続問題は、ごく普通の人達の切実な問題であり、まさに古くて新しい、時のテーマなのです。

当サイトでは、最低限度身につけておきたい相続の基本知識を紹介しながら、一歩踏み込んで、実際にどんなことが相続では問題になるのかを取り上げ、その解決のヒントを示してみました。もちろん相続には当事者によって様々なケースがありますから、一概に論ずることはできません。あくまでも代表的なひとつの例だと考えてください。相続問題の解決で肝心なのは、相続権を持つ者同士が納得の行く話し合いをすることで、これに勝るものはありません。皆さま方の現在抱えている問題の解決の糸口に、あるいは将来に備えた一つのより所になれればと、心より願っております。


不動産を相続したら、まず登記

相続によって不動産を相続した場合、それが自分のものであることを他人に主張するために登記制度というものがあります。相続して登記しなければ罰せられるというわけではありませんので、「相続権のある私たち意外に遺産が行くわけがない」 と考える人もいるようです。しかし、これで本当に大丈夫でしょうか?不動産をめぐる相続問題は、とかくスムーズにいかないことも多くあります。つまり登記をしておかないと、後々、困ることが起きるのが不動産相続の常識と考えておいた方がよいでしょう。

登記をせずに放っておくと、権利関係が複雑になる

たとえば亡くなった被相続人の残した不動産について、相続人A、B、Cの間でAが相続するということで話し合いがうまくまとまったので、安心して放置しておいたら相続人の一人であるCが亡くなってしまった、というケースは意外と多くあります。この場合、ただ話し合っただけだったとしたら、Aの名義に登記をするためには、亡くなったCの相続人D、E、Fを加えてもう一度協議をしなければなりません。もしこの協議がまとまらないうちに今度はBが亡くなってしまったら、Bの相続人G、H、I、Jも協議に加えなくてはなりません。そうこうしているうちにAが亡くなってしまったら・・・。長い間登記を放置しておくと、相続権のある人が次第に増えて、遺産分割協議が整うことが難しくなります。当然、登記手続に必要な書類や費用も多くなり、膨大な苦労と労力を必要とします。相続問題を次の世代の子供達に残さないためにも相続登記はお早めに。